本人が作詞・作曲したオリジナル楽曲、使用許諾を拒まれる裁判は
シンガー・ソングライターの、のぶよしじゅんこさんら3人が、JASRAC(日本音楽著作権協会)を相手取り、計385万円の損害賠償をもとめる訴訟を東京地裁に起こした。この訴訟、著作物管理契約をJASRACと結んでいるミュージッシャン。2月17日の各報道記事によりますと、訴訟をおこしたシンガー・ソングライターの、のぶよしじゅんこさんら3人が自分が作詞・作曲した楽曲を2016年5月、東京・八王子市のライブハウス「X.Y.Z.→A」でライブを開催のため、オリジナル曲6曲を含む12曲、演奏の申請を行うが、JASRAC側に拒否されて、ライブができない内容です。
JASRAC側は、ライブハウスとの間で、管理著作物の使用料に関する裁判で争っており未解決であることが理由のようです。ライブハウス「X.Y.Z.→A」は、ファンキー末吉さんが経営に関わっているライブハウスで、のぶよしさん側は、正当な理由がないのに、ライブができず精神的な苦痛や演奏の自由を侵害されたと主張。
自分が作詞・作曲した楽曲の著作物管理契約をJASRACと結んでいる楽曲が使用できない。法的に問題ないのだろうか?(ASRACは「正当な理由」がなければ拒めない)
著作権にくわしい高木啓成弁護士が解説する。
「JASRACは、作詞者・作曲者から直接、または音楽出版社を通じて、楽曲の著作権をあずかって管理しています。楽曲を利用したいというレコード会社や放送局、ライブハウスなどは、楽曲の作詞者や作曲者ではなく、JASRACに申請して利用許諾をもとめることになります。JASRACは、このような楽曲利用者から著作権使用料を徴収して、作詞者や作曲者などに分配する業務をおこなっています。JASRACのように著作権を管理している著作権管理事業者には『著作権等管理事業者法』という法律が適用されます」この法律には「正当な理由がなければ、取り扱っている著作物等の利用の許諾を拒んではならない」と定められている(同16条)。「つまり、楽曲を利用したいという人が、楽曲利用の申請をしたにもかかわらず、JASRACが『正当な理由』なく、申請を拒否した場合は、違法になってしまいます。ですので、JASRAC側は今後、利用許諾をしなかった『正当な理由』を主張していく必要があります」
JASRACが、ライブハウスや飲食店から徴収した著作権使用料が契約している作詞・作曲者へ正しく分配されていないのでは・・疑問について
全国のライブハウスや飲食店でどの楽曲が 何回利用されたかを正確に調査することは困難。また展示会等での生演奏や楽曲使用も対象になります。JASRACは、一部の店舗でサンプリング調査を実施、また一部の店舗に 協力してもらって利用楽曲の報告を受けて、これらのデータから全国の利用楽曲を推定するという方法で算出しているということです。この調査方法の場合は、自分の楽曲がライブハウスで演奏されたはずなのに、 自分が演奏したのに、著作権使用料が分配されないという問題が発生します。 JASRACもこの問題自体は認識し対策を講じているようですが、正確な楽曲利用数の把握はできていないのが現状のようです。原告が楽曲使用の申請をするライブハウスは『爆風スランプ』のファンキー末吉さんが経営に関わっている同じ場所。過去、このライブハウスは当時、著作権使用料などでJASRACと係争中で、東京地裁で、演奏の差止や著作権使用料の支払いを命じる判決を受けていたようです。JASRACは、楽曲利用の申請を拒否した『正当な理由』として、ライブハウスと裁判での判決内容を挙げるものと思われます。
ライブハウスが著作権使用料を支払っていないとしても、ライブで使用する正確な著作権使用料を支払う目的で、新たな楽曲の使用申請の話は別、楽曲使用の拒否はおかしいのではないか、ということの裁判のようです。
今後JASRACがどのように主張するのか、注目されます。
引用元: yahooニュース https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190217-00009240-bengocom-soci